東京大学、AI法務リーダーシップ・プログラムが閉幕 編集部
東京大学大学院法学政治学研究科附属法・政治デザインセンターが開催していたAI法務リーダーシップ・プログラムは、8月31日に計5日間の全日程を終え閉幕した。プログラム5日目の模様をお伝えする。初日の様子については「東京大学、AI法務リーダーシップ・プログラムを開催」(8月24日)をご覧ください。
東大教授らとのディスカッション
午前の部では垣内秀介教授、宍戸常寿教授、白石忠志教授、田村善之教授、長田雅之最高裁判所事務総局デジタル総合政策室総括参事官、野口祐子客員教授、羽深宏樹客員教授、前田健教授(五十音順)が登壇してのパネルディスカッションが行われた。
前半の教員間での討議のパートでは、民事裁判でのAI利用可能性、特許実務における出願前の特許関連情報のAIへの入力の問題、AI利用企業が負う不法行為責任の性質、AI時代の法学教育のあり方について議論が行われた。
後半の質疑応答では、受講生から、民事裁判において争点整理を越えた事実認定や争点の判断自体にAIを使うことがあり得るのか、ODR(裁判外のオンライン紛争手続)においてAIエージェントが調停に関与するメリット・注意点、若手弁護士育成との関係で人に対する教育とAIの法律分野の性能を向上させることとの違い、現時点での大学での法学教育・研究におけるAI活用の実態について質問があり、一つの質問に対して複数の教員から応答がされることも多く、議論は盛り上がりをみせた。
〈ディスカッションの様子〉
4日間の振り返りと今後のアクションプランの作成
野口祐子客員教授がファシリテーターとなり、午前の部では、これまで4日間のプログラムを通じて学んだことを各受講生が発表した。講義で得られた知識を所属企業のAIガバナンス改善に役立てていきたいといった意見が多く聞かれたほか、ヒューマニティーやヒューマン・オン・ザ・ループをキーワードとする意見も目立ち、AIには担わせられない人間固有の役割など倫理的な問題への意識を感じられる受講生の声もあった。
午後の部では、受講生が今後の仕事においてAIをどのように扱っていくのかについての目標や作業工程を検討しアクションプランの作成を行い、受講生同士でアドバイスをし合う形で、3~4人の受講生グループでのピアレビューも行われた。野口教授は、一か月後を目途に再度グループで集まり、プランの進捗を確認し合うことを推奨しており、この講座がきっかけとなってできた仲間とのつながりが今後も維持され長く続いていくこともリカレントプログラムのねらいの一つであるとする。
プログラムの締めくくりでは、橋爪隆研究科長から受講生一人一人に修了証が手渡された。

